告白
久しぶりに小説を読んだ。いや正確に言えば小説に読まされたのかもしれない。
元々オイラは幼少の頃から漫画ばかりを読んで育った。活字を読むのが全くの苦手で、調子に乗って購入した推理小説を何冊も途中止めにしてきた。それもあってかどうかは分からないが、現代文が最も苦手な教科になってしまい、読解力や創造力の無さを試験の答案をもって思い知らされてきた。
長い文章を読むと、最初こそは何とかして読み砕いていくのだが、徐々に集中力が無くなってくる。作者が何を言いたいのか、登場人物が何を主張したいのか、主旨や要点がどこに置かれているのか迷子になってしまう。しまいには内容と全く別の考え事をし始め、何故か同じ行の文を何度も繰り返し読みだし、最終的には眠くなってしまう。完全に阿呆である。
今やいい歳して朝刊を読むのがやっとこさの人間になってしまった。
そんなオイラに対して突然友人が小説を勧めてきた。現実と妄想の狭間で浮足立っているオイラに見かねての意外な一言だった。是非オイラに読んで欲しいとのことで、その主人公はオイラにそっくりだってよ。
町田康。布袋に半殺しにされた彼の小説を読む。実のところ彼の事はあまりよく知らない。どんな楽曲や小説を民に提供してきたのか全くの未知数であったオイラはあまり考えずに読みだした。
かなり分厚い長編小説に初心者のオイラは若干気遅れしたが、せっかくの機会だと思い込み、慣れない河内弁に翻弄されながらも毎晩少しずつでも読み続けようと決心した。
その昔、明治に起きた大量殺人事件「河内十人斬り」をモチーフにした長編小説。主人公は非常に物事を深く考えすぎる癖があった。この小説の言葉を借りると思弁癖である。その思弁を表現する言語を持たない彼は無情にも孤独感や疎外感を勝手気ままに味わうことに。そんな思いと言語と行動がバラバラになってしまいがちな彼はコミュニケーションという壁にぶち当たり、友情や恋というものから見放されていく。
歯痒い。もどかしい。
オイラは友人に言われたとおり、その主人公をオイラに重ねて読むことに。すると今まで小説を避けてきた原因である活字という障害も、そんな彼の性格や心の声でいとも簡単に乗り越えることができ、どんどんのめり込むオイラがそこには存在した。
主人公の最期は実に悲劇であった。流石にそこまでオイラは追い詰められていないのかもしれないが、そこには十分に共感できるし彼の再三に渡る独り言には度々涙を流した。
何とも語りつくせない内容だったが、我の心では何度でも語りつくしたい、そんな気持ちにな った作品であった。
じめっとした寝苦しい梅雨の夜に、それに身を任せて漂う自分に少しばかり居心地の良さを感じた今日この頃。
本当の本当のところの本当の自分、一体どこへ流されていくのだろうか。
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Comments
読んでみたくなりました。
Posted by: yama | 19 June 2008 at 07:14 PM
自分が見えてるか?
Posted by: pukumaru | 22 June 2008 at 01:01 AM
流れ流~れ~ていつ~か
消えゆくと~しても~。
時の河は~続いて~ゆ~く~。
Posted by: 爺 | 29 June 2008 at 05:17 PM